週末の贅沢
週末に早朝散歩をしようと決めて2週間め。一気に寒くなった空気とまだ暗い外の様子に出発するのを躊躇しつつ、6:00にエイやッと家を出る。
歩き始めると意外に寒さは感じず、耳から聞こえるポッドキャストの音声にせかされるように速足で近くの川まで歩く。誰もいない薄暗い堤防沿いの道を、ひたすらに歩き続ける。ときおり、ライトを点けた自転車が追い越してゆく。
しばらく歩くと次第に夜が明けてきて、犬の散歩をするおじいさんやランニングのおばさんおじさんとすれ違うようになる。
しばらく歩くと、少し離れた住宅の屋根の上に鷺が留まって羽を休めている。
こんな風に景色を眺めることが、ここ十数年、なかったように思う。贅沢な時間を過ごしていることを、少しうれしく思う。
程よいところで折り返すことにする。少し汗ばんでくる。空気の冷たさが心地よくなってくる。
橋を通るとき、足元にハトが4羽、何かを探すようにトットと下を向いて歩いている。
家まであと少し。今日が始まったばかりだ。